結婚したいと願っている方でも、意外と「結婚」と「婚姻」の違いを知らない人も多いかもしれません。その違いと、そして、入籍についてもご説明します。
結婚とは主にパートナーとの夫婦関係の状態
結婚は、主に配偶関係の締結とよく言われますが、この締結とは、夫婦になることを取り結ぶ約束のこと。
現代では、結婚のあり方の多様化により、入籍にこだわらない場合やお互いの事情、なんらかの理由により、婚姻届を提出せずに、夫婦関係を営む事実婚、内縁等もあります。
そのため、現代では、法的な婚姻届けの提出や籍にかかわらず、パートナーとの継続した事実上の夫婦関係の場合、結婚の状態であるといえるでしょう。
婚姻とは主に婚姻届けを介した法的な関係
婚姻とは、婚姻届を提出し受理された、婚姻届を介した法的な関係のことを指します。
法律上の憲法や民法などでは、結婚ではなく婚姻という用語だけが使われています。(一部、刑法には結婚の記載もあります。)
結婚届という言葉はなく、婚姻届が現在も使われているように、婚姻届けを受理された法的に認められた関係は婚姻です。
日本国憲法に「婚姻」として以下のように制定されています。
日本国憲法(家族関係における個人の尊厳と両性の平等)
婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
また、婚姻は民法により、婚姻届を提出し成立するということが制定されています。
法律上では、それぞれの意思で結婚をする自由はあっても、民法に則る夫婦関係であるためには婚姻届を出す必要があるということです。
結婚と婚姻の違い
上記から、現在では、婚姻届を介した法的な夫婦は結婚も婚姻の両方があてはまりますが、婚姻届の有無にかかわらず自由意思での夫婦関係は結婚関係と考えることでよいと思います。
この、結婚と婚姻の呼び方は、明治時代の頃を境に、それまで婚姻という名称が主だったのが、結婚という名称が多く使われるようになってきたといわれています。
おそらく、結婚式や結婚披露宴、結婚記念日、お見合い結婚、恋愛結婚など、婚姻以外での名称が増えてきたこともあるかと思います。婚姻式や婚姻披露宴、恋愛婚姻とはあまり言いませんよね。
実は間違って知られている入籍について
実は、入籍の意味は結婚と混同されがちですが、意味を知ると、その間違いが分かると思います。
入籍とは
入籍とはすでに存在する「戸籍」に新しく誰かが入ることです。そのため、養子縁組や再婚者との結婚で、既存の籍に入るときは、入籍があてはまります。
入籍=結婚は間違い
結婚する前は、夫婦それぞれ、親の戸籍に入っているはずですから、そこを徐籍し、新しく夫婦二人の戸籍が作られます。
そのため、既存の戸籍への入籍ではなく、新戸籍の作成がされるので、実は入籍という役所作業にはあてはまらないのです。
実際に、入籍届というものがあるのですが、書類的にも婚姻届と似ており、そして、入籍=結婚という認識が多いため、役所によっては、入籍届と婚姻届を混同しないようホームページなどで注意を促しているところもあります。
ただ「入籍しました!」という報告や芸能人の方のニュースなどで入籍報道などがあるように、世間一般的に入籍が結婚を連想させるフレーズとして浸透しているので、入籍を結婚の意味として使用しても問題ないと思います。
ただ、結婚、婚姻に使用するのは入籍届ではなく、婚姻届ですのでお間違いのないように。
まとめ
現在、法的に認められた夫婦関係が婚姻にあてはまります。
結婚よりも婚姻のほうがなんだか堅苦しい言葉に聞こえますよね。
今、夫婦や結婚のあり方も時代と共に進化してきているため、婚姻に対する内容や意識も今後、多様化してくるかもしれません。
結婚も婚姻も夫婦関係を意味するものであり、言葉によって幸せの違いはありません。
アメリカの調査で既婚者のほうが独身者よりも健康で長寿という結果もあります。人生のパートナーと過ごすこと、仲の良い夫婦生活を営むことは、気持ちにも身体にも幸せなメリットがありますね。